メモ

避難所。

娘のキャパシティ

今日は、娘が1時間目だけ登校するとき、昨日お話しした不登校の子を迎えに行って。
無事二人での登校をしてきましたよ。


1時間目だけの予定が、お昼近くまで学校にいて工作をしてきたそうです。




お友達…1年生の最初しか登校できなかったから、ドレだけぶりだ。
学校側としても、彼女としても、快挙だったでしょう。




登校中は不安がって、娘の腕にしがみついていたそうです。



居なくなっても登校できるようにならなきゃ駄目だよね。
転校しないで欲しいよ。



そう繰り返しながら、校門をくぐって。
保健室に行って。


娘と、娘の彼氏(しめ合わせ登校…)と3人で、先生と話しているうちに、緊張が薄れたようだったと、娘が言っていました。




校内に少しでも入ってこれたら大成功だから、ダメだと思ったら帰ってきていいからって、お母さんに送り出されたのに。お昼近くまで学校にいたんだから。充分だよね。と。






慌ただしく帰宅してきた娘と、出かける準備。
午後はフルートレッスンと物件を押さえる予定があるのです。




自転車をこぎながら、娘が頭ガンガンすると訴え続ける。


今日はお天気も良くて、薬も飲んでる。
午前中には自分の安全基地といえる輪で過ごして、目標達成も出来たのに。
なんでだろう。頭が痛い。すごく。いたい。



あんまり痛がるから鎮痛剤を飲ませてあげたいと思ったけど、一日中キメてる漢方があるから…飲ませて良いのか悩んだ。結局、自転車を停めて、甘いものを食べさせながら道端で頭と首のマッサージとツボ押しを決行。丁寧にほぐしてやったら、楽になったとホッとした様子。



実は、あたし、昨日から感じていたことがあって。



久しぶりに会ったお友達との逢瀬で、娘の様子がネジを巻いた感じがしていた。
なんていうか…今まで「彼氏しかいない」って心境で、あたしを含め家族を蹴っ飛ばしながら、自分の判断基準が彼氏一点に集中していたわけだけど…昨日拒む理由のないお友達の存在を当然のように受け入れて…キャパオーバーしたように見えていた。


上手く言えないけど、言動がおかしかった。
カラカラ回って、上滑りしてるような…。


お友達を交えて、彼氏とチャットして笑っていたんだけど。
その様子が…なんだか…無駄にはしゃいでいるようにも見えたし、こちらが何かを聞いた時の返しが…うーん…一見無感動に処理してやるみたいな高圧的なものに感じるんだけど。


処理。そう。処理してる感じ。


打てば響くぜ!スパンスパーン!だけど続かせない…っていうより…
その後を考えてないというか、思いもしないというか。断片的な返答?



なんだか、嫌な感じはしてた。
夜も、思い当たることはあれど、変にキリキリしてたし。



マッサージしながら、ちょっと聞いてみた。



今日さ。あの子登校してどんな感じだった?




いや。さっきも言ったけど、保健室に入るまで大変だったよ。
彼氏と3人になったら、だんだん笑うようになって。



ふうん。
じゃあ、彼氏はセーフ判定なんだね。よかったじゃん。



だけど、3人ってあんまりよくないなって思ってるかも。



あーそうね。
あんたと彼氏も、初めて会った時、彼氏と元彼女と3人だったもんなー。



うんー。別にそういう心配だけじゃないんだけど。
なんていうかー。疲れた。










転校しないでって、初めて言われた。
彼氏以外には転校の事を誰にも言ってないから、当然っちゃ当然なんだけど。
でも彼氏も言わなかったし。


言われたら、なんかモヤモヤした。


彼女、お母さんにも、あたしの彼氏にも、先生にも、あたしと一緒なら出来るとか、学校にいられるとか、今日一日で何回も言ってた。


先生も、だったら一緒にやろうかとか言うし。


なんかよくわかんないんだけど。


なんていうか。









なるほど。と、母は思った。






重い?





そうーなのかな?
うん。多分そうかも。





今まで彼氏の事だけで自分満杯にしてたからねえ。
そこに彼女押し込んだら、彼氏との時間にも混ざってくるのは当然だし。
キャパオーバーだね。
だから昨日からヘンテコだったのか。
自覚なかったか?
高圧的で生意気な態度に見えてたけど、かなりロボットかよって感じだったよ。




そんなつもりないよ。そうなの?




頭、パンパンなんじゃないの。
だから頭に血が集まって痛いんじゃないの?





そうなのかなー。




それに、今、あんたがこうやって頑張ったりできるのってさ…
もうすぐ引っ越し出来るって、そう思ってるからじゃないの?



……うん。それな。
だから、今出来てるからって、じゃあこれからもなんて期待されるのは嫌だ。
このまま3人で登校できるようにするとかなったら、もう絶対学校なんか行けない。


先生とか彼女のお母さんとか、彼女本人の…期待が重い。
気持ち悪い。
だけど、もうすぐ引っ越しするっていう今の自分には頑張って出来てしまうから。
やらないとって動いちゃうし、頼られるのは嬉しいから、つい張り切っちゃう。


でも、もう引っ越しするのに。
期待されるのモヤる。





なるほどね。




わかりる。





フルートのレッスンを終えて、目星をつけていた物件に向かった。
希望している中学校からスタートして、距離を感じて貰った。


現地集合した不動産屋の兄ちゃんは、以前娘と二人で暮らしていたアパートの事を覚えていてくれて、娘もホッコリしたようだった。



古いけど、広いし。
前のアパートのバージョンアップみたい。


周りも静かでうるさくないの、いいね。
いいんじゃない。




静かに、娘がそう言ったので、決めてきた。




帰り道、あたしは昔二人でアパート暮らししていた時のことを思い出していた。




あの時はさ。
二人しかいなかったのもあって、あんたのやる事は、みんなあたしの真似だったよね。



そうなの?
覚えてないわ。



そうなの。
今と違って、りんごも剥けないけど、包丁使いたがってさ。
ご飯支度だって台所に立つと、光の速さで白雪姫のドレス着てきてさ。
野菜切ってれば、自分も切るってまとわりつくし。
胡麻擂ってれば、すりこ木奪おうと躍起になるし。
魚下ろしてる時は、距離とられたけどw


別に教えようとか思わなくても、二人しかいなかったから、結局見る先がひとつしかなくて、あんたずっと一緒に台所にいたなあ。


一緒になまけて、一緒にご飯作って、一緒に頑張って、一緒にグータラしてたな。
多分、それ育児方針みたいな感じになってたのかも。


実家に行ってから、あたしもあんたも見る先が増えて。
それまでと同じ事、全然出来ないで来ちゃったんだな。



8年くらい?



んだねー。8年くらいになるのか。
やり直しするか。





いいんじゃない。
やりなおし。


引っ越ししたら、料理教えてよ。




いいよー。





そっけない感じで、娘が「やりなおそう」って言ってくれた。
嬉しかった。




ママは仕事どうするの。っても聞かれた。




免許がないあたしが、この年になると就職難しいのよ。
職歴も空白がありすぎて、以前の経歴は無いものと同然だし。
てゆーか、普通にフルタイムで働いてお給料とボーナス貰えるような仕事は無理。
身体も弱ってるし。


でも、仕事は探すよ。
ほんの少しの時間のパートでも、やれそうなもの探すよ。


少ししか外で働けないってことは、おうちでやれることに時間が使えるってことでもあるからねえ。ずっと出来なかったハンドメイドもお絵描きもやれるようになれば…前やってたネットショップが復活できるかもしれないし。




いいね。って、娘が笑った。






今回の引っ越しは、バアバがあんたの就学終了まで全面的に援助するつもりでいてくれているから、あんたはそういう心配を必要以上にしなくてもいいよ。あたしが働くことは、あんたの為だけじゃない。自分の為だっていうのが絶対必要で、ダブルメインになってるの。



わかった。
まあ、あたしも高校になったらバイトするし。




ジャンジャンやりなさい。
そんで欲しいものは自分でゲットしてくんな。






帰宅してから彼氏とチャットした娘は、さっきの話が掻き消えたように、彼氏との世界至上主義になってしまったけど。(冷たい





相当疲れたけど、今日は要所になる頸木が数点打てた。



午前中、母に姪っ子から電話が来た。
うっかり姪っ子の声を聴きたくなって、電話を替わって貰ったら、思いがけずに弟と話すことになってしまった。


8月に帰省してくる彼らに、事情を説明する気にもなれずにいた。
来た時は居なくなってたって状況でオッケーと思っていた。


でも、エンカウントしてしまったから、説明した。



弟は、とりあえず。理解を示す姿勢をみせようとした。



取り繕っていたとしても、重畳。






姪っ子が「そっちに行ったら、いっぱい遊ぼうね。大好きー」と言ってくれた。




あたしも、大好きだよ。





両思いだねって。
今あたしの世界では幻のような言葉を、言わせたこと。








何もわかっていないから出来たことかもしれない。
けど、凄いことだったんだよって。



いつか、姪っ子に伝えたい。






いろんなことが理解できるようになったとき、実家やあたしのことが影を落とすかもしれないけど。あなたは凄い手をあたしに差し伸べていたんだよって。




こんな状態になっても、自分の出来ることを頑張る娘。
無意識に伯母のあたしに、手を差し伸べる姪っ子。




こどもは、すごい。






きっと、子供の頃のあたしも、凄かったんだろう。
耐えられるかーっていう状況で、自分を押さえつけて周囲を満足させる努力は間違っていたけど。



でもきっと、理屈で分かっている大人じゃ、切り捨ててしまうものを抱き込んできた。





自分のキャパシティなんか目もくれない。




こどもは、すごい。



だから、限界が来てしまわないように、大人が負荷をかけないようにしなくちゃいけないんだな。

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