メモ

避難所。

お医者とカウンセラー

昨日はハローワークで勧められた無料カウンセリングに行ってきた。
月一回。求職者でありながら、病気や家庭の事情で困り果てて、にっちもさっちもいかないよってタイプ救済場所みたいなものらしい。


カウンセラーの方は初老の男性だった。
腰が低くて、笑うと持ち上がったほっぺの艶が可愛く見える。
そんなカウンセラー。






何から話せばいいのか、ここでは何処まで話しても良いのか分からない私に、まずカウンセラーが聞いたのは通院歴。あらためて指折り数えてみると…私は10年以上精神科に通っているんだと知った。


通院している病院について、カウンセラーさんはご存知のようだった。
「あそこの先生はご自分でカウンセリングもやりますし、お薬も少なめを意識していらっしゃいますよね。良心的な方だと思います」そう言っていた。薬のメインが漢方なのが自分には安心で通っていると言ったら、よい判断ですねと。


とりあえず、今どんな状況なのかと、それに至った経緯をざっくり話してた。
実家の行は、カウンセラーさん首をすくめたり捻ったりしっぱなしだった。
一通り話し終えると、滝のように涙が止まらない私にティッシュを「プレゼントです」と渡してくれて、見解を話し始めた。



まず、娘さんとあなたは同じような状態だと思っていいんじゃないでしょうか。
お二人とも、大変傷ついて、毎日ストレスフルです。
娘さんが教室に入れなくても学校に行っている状況。
あなたが休まなければいけないのに定職につけていない焦りで自分を責める状況。
あなたも娘さんも、休む事、回避することに罪悪感をもっちゃ休みになりません。
1年、無職だったとおっしゃっていますが、1年の間、無職の自分を責めてきませんでしたか。
お子さんは、とにかく避難できる場所にいることで中学を卒業するところまで出来れば、生きているうちならどうにでもなります。
お二人とも、ボロボロですよ。
ちゃんと安心できる場所で、しっかり休まないといけません。
出来ないことをしようとするから、失敗するんです。
失敗したらまた病状が悪くなる。



今の感じじゃ全然休めてません。





私がお話を聞いた限り、ご実家での経験と、今の娘さんの状況に、お二人とも疲れ果てて当然と思いました。特にお母さんのあなたは、娘さんを心配するのは当然のことで、これだけ子供が辛い状態にあれば、親としてただ見ているわけにはいかない。そうであってほしいと、社会も打ち出していますよね。最近はそれが出来なかったりする気が無かったりで、子供が悲惨な目にあうニュースが絶えません。あなたは社会に対しても、そうはしないと必死に姿勢を崩さないよう頑張っているんじゃないでしょうか。それじゃあ全く休めていないどころか、ストレスが増える一方です。



主治医の方は、どうおっしゃっていますか?と聞かれて…私は通院の度に鬱々としてしまう話をした。


子供の人生は子どものものだから、駄目になるならそれまでの人間でしかなかったと諦めて放っておきなさい。
娘は学校で、私は就職した先で、人間関係を学びなさい。
私は実家の環境で、歪んだ人間関係と処世術を学んできているから、社会に出ても上手くやれないのは当然の事だと。



カウンセラーさんは、途中「あらー」とか「うーん」とか言いながら、困ったように笑っていた。



あそこの先生も、結構変わっているというか。
お医者さんって、実際本人が就職活動して面接受けて、馴染みのない現場に放り投げられて、そこで仕事以外のことにも適応していって職場で仕事ができるっていう、ハローワークに来られるような一般の方の経験をお持ちじゃないんでね…なんていうか、口が悪いかもしれないけど、世間知らずっていうか。


主治医が言うことは、元気で薬が無くても毎日精力的に活動出来て、何が起きようが多少は受け止められるメンタルを持っている人に対する指導です。
先生がおっしゃる事の手前で、出来ないとか、出来るか分からなくて不安ばかりだとか、そういうので体調不良が出たりしてる人には、無意味どころか焦りを増長させますよね。ストレス増やしたら悪化しちゃいますよ。だって出来なくて困ってるから病院に行ったのに「何でできないんだよ、出来るはずだし、あなたがやらないだけでしょ」って突き放されちゃうようなものだから。


でもね、お医者さんって、病気のお薬は出せるけど、カウンセリングは自分の仕事じゃないって言い切ってしまう方、多いんですよ。あなたの主治医は割と自分もカウンセリングしますってスタンスだけど、確か専属のカウンセラーがいたはずです。つまり、患者さんのお話を聞いて、ほぐしたり認知の歪みを一緒に確認するのは、自分の専門じゃないってことです。それらは、カウンセラーのお仕事でしょって、私たちの方に回すんです。


だけどまあ、あそこの先生はー…確かに自分もカウンセリングしてるっていう気持ちでいる分、自分が出来る枠では無理だから回すとか、しないですよね…。お抱えのカウンセラーさんは保険きかないんですよね。それじゃなかなか、お仕事できないで通院されてる方は手が出ませんしね。お医者さんには体調不良についてのことだけしっかり聞くっていうくらいの姿勢じゃないと、余計傷ついたり、ストレスが増えたり、治療にならないんで。





なるほど。
なるほど。
なるほど。


なるほど。が、ストーンストーンと落ちてくる。



医療関係の仕事をしている友人が「医者は変な人ばっかり」と言っていた。
確かにそうかもねーとか話したことがあった。



…確かにそうかもねー(遠い目




私がしゃべった分、しゃべる。
そんな感じのカウンセラーさん。
沢山聞いてくれるというイメージじゃないけど、嫌な感じはしなかった。
その分、貰えた情報。








自分を責めてしまう事との兼ね合いにもなるが
焦って今すぐ就職することは勧められない。




生活保護は受けられる。




福祉協議会の存在。





就職活動をするなら、女性が多い会社は避ける。
特におしゃべりが仕事の一つになりそうな、スーパーなどは蓋を開けてみなければ分からないけど、他人の情報過多で私のようなタイプは回避した方が無難。
社会復帰にワンクッション置くなら1人で作業する仕事、内職、清掃、工場の流れ作業がねらい目。





頑張って面接を受けても、その時点で頑張ってるので、出勤するためのキャパが残っていないことを自覚する。出来ると思う余裕が感じられたなら、それは面接を受けることが出来るキャパであって、勤務にあてるキャパではないこと。
できれば、面接のキャパが空いたと思えた時、その後に通勤して勤務するエネルギーがあるかどうか。それを蓄える為にも、いきなり面接に飛びつかないこと。





専門援助の求人を射程内にいれる。問い合わせるだけタダ。







娘のことは、娘が楽にできる範囲を許容して、楽しい事をする。








専門援助については、大泣きした。



私は主治医に聞いたのだ。
自分が仕事を得られるのか、仕事できるのか、全く分からない。
精神科に通う自分のような人間にも、社会復帰のきっかけを作ろうというような支援がないか。あるなら、そこを自分が利用できないか。
主治医は怒ってしまったよね。
あんたは鬱病とか診断名が付いてない、ただのノイローゼの延長上にいるんだから。
そんな支援は利用できません。
普通にパートから初めて、だんだん慣らしていけばいいんです。って。
私はそういう支援活動があれば利用したいという事だけだったけど、主治医は障がい者手帳を強請られていると思ったらしいこと。


カウンセラーさんに、この事を話したら



うーん。
先生は…こういうしんどさを抱えながら就職するっていう現実がね…分かりようないんですよね…こうやってハローワークに来て、求人がどんなものでどんな感じでどのくらいあるかも知らないし、それを患者さんがどんな顔で検索しているのかも知らない。


あそこの先生は、少ない薬で良心的にやる分、その辺りは診断が厳しいんですよね。
よその病院なら、休まないと治療にならない、利用してもらいたい支援がある、それに診断書や手帳が必要なら与える。くらいの感じですよ。割と簡単に出ますし。


確かに専門援助は、障がい者手帳を持っている人が対象ですけど、事情を説明して聞いてみるだけタダじゃないですか。それに低賃金だから、なかなか求職者がいなくて結構後回しにされてるヤツあるんですよ。単純作業に人数が欲しいっていう会社もあります。


でも、今すぐ動くのは、今日お話しした感じだと、オススメはしません。


主治医がノイローゼの延長上と言ったなら、それこそストレスを取り払えば治るんです。
今、仕事が出来ていないと自分を責めることもストレスです。



だけど、あなた。
ずっと喉までストレスいっぱいな人生じゃないですか。


今お話ししてくれたご実家のことは、あなたが子供の頃もそうだったんでしょう。
あなたの人生、いつも何かしらに怯えて怒って。よく耐えてきたなあと思いますよ。


現実問題、難しいこともあるかもしれませんが、カウンセラーの私があなたにしてもらいたいことは、ストレスの回避と消化。お子さんも多分、同じなんじゃないかと思います。



一か月後にはなってしまいますが、リラクゼーションについてお教え出来たらと思います。ハローワークの無料カウンセリングだと、時間があいちゃうし、予約がとれないとできませんけど。良かったら、是非おいでください。











なんだか、少し…軽くなった?


全部が全部「そーだそーだ!」となるのは危険なんだろうなと、しょんぼりもしたけど。


でも、実際、私の日常で数少ない人間関係であった主治医との事について、事情を知っている人から話が聞けた。


どっちにしても、私は凝り固まっているんだな。


病院で言われることと、真逆で、自分が楽な意見を手にすることが卑怯な気がする。


リラクゼーションとか、自分、やっていいんだろうか。




楽な事は、後ろ指さされている気持ちになる。



おまえは、ダメな奴だと。




父の声がする。

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